思い出すのがつらすぎる記憶は、あたまで忘れようとする。
そんな思い出をも からだはすべて大事に記録していくのです。
     Myriam Brousse

思い出が奏でる雑音

わたしたちのからだは、経験したものごとのすべての情報を細胞の中に記録していきます。これが「からだの記憶」です。

fountain pen on paper with ink text closeup

両親のもとに宿り、母親のおなかの中で育ち、うぶ声をあげ産まれ、赤ちゃん、幼児、子ども、思春期、青年、大人へと成長し続ける中で、経験することの全ての思い出をしっかりと からだに刻んでいくのです。

とくに思い出すことがつらい経験は、不思議なほどに記憶から消されてしまうことがあります。でもからだの中にはしっかりと記録され封印されてます。

大人になるにつれ、そういったからだの奥の方に沈んで封印されている思い出は、何らかのきっかけで突然燃え出して、私たちにあらゆる現象を起こすことがあります。 そしてその現象は、いったんおさまっても まるで私たちの目を覚まそうとしているかのように、くり返し起こることが多いのです。

傷のついたレコードが、くり返し同じ雑音を奏でるのと同じように。

雑音の音源

この雑音をたどっていくと、最終的にはわたし達の人生の入り口付近に刻まれた記憶にたどり着くことが多くあります。
受胎前後の期間、胎内の9ヶ月、そして出産前後の期間の記憶です。

この時点に刻まれた記憶は、時空をこえてわたし達の人生に大きな影響を与えることになるのです。

また面白いことに、自分自身の経験だけにとどまらず、私たちの先祖から、特に親から譲り受けた記憶が刻まれることもあります。

「子どもはテレパシー能力をもつ」と小児精神分析家ドルトは言いました。子どもは親の潜在意識に封印されている思い出の存在を、原始的感覚によって感じとり、あらゆる現象を通してわたし達に知らせてくれたりするのです。

子どもの見せてくれる現象は、親や祖先の代で解消できなかった葛藤の記憶を修復するために時空を超えて現れていることが少なくないのです。

「からだの記憶」メソッドの目的

自分自身のことがよくわからない、と感じて生きているとき。

原因のわからない身体の症状や心の症状を抱えているとき。

金銭問題や人間関係の問題をかかえてなかなか苦境からぬけだせないとき。

その原因となる大もとの記憶をみつけ、その記憶の発する波動(雑音)を調律、つまり変容することを目標とします。
自分の記憶をひも解いていく過程で、少しずつ自分の封印されていた本質を思い出していくことになります。
「本当の自分を思い出した」ならば、わたし達は「自分の生まれてきた意味」をより意識しながら、日々生きていけるようになるのです。